「教会とは何か」、「教会を建て上げるとはいかなることか」ということを考え続けています。自分なりの一つの暫定的なまとめを2018年に出版した『教会に生きる喜び』(教文館)に書きました。基本的な考えはそこに記した通りで、大きな筋道としては変わっていませんが、それでもあの本を書いた当時お仕えしていた徳丸町キリスト教会から、東京キリスト教学園、市原平安教会、そして多磨教会へと歩んで来て、新たに教えられていること、改めて気付かされていること、考えを新たにさせられていることなどもあり、生涯かけて問い続けていく問いであると思っています。
自分自身の中での教会についての考えの大きな変化は、2011年3月11日の東日本大震災を経験したことでした。この出来事を契機に教会が地域社会の中に置かれている意味と責任を強く思うようになり、これを『「伝える教会」から「仕える教会へ」』という言葉で表現するようになりました。教会が地域社会の中にあってそこに生きる人々の必要に応える存在となること、教会が地域共同体に必要とされる存在となっていくこと、町の中に教会があることが人々に何らかの安心をもたらす存在となっていくこと。送り手、語り手であるばかりでなく、受け取り手、聴き手としての存在となっていくことの大切さを教えられています。福音を伝えることは教会の大切な使命ですが、まずは地域に仕え、信頼される存在となることが必要でしょう。
秋の伝道のプログラムに取り組むにあたり、仕える教会としての姿勢を大切に覚えたいと思います。教会を開き、風通しを良くし、近隣との良好な関係を築き、安心できる居場所として環境を整える。小さなことの積み上げを通して信頼を得ていく教会でありたいと願っています。