緑の美しい、爽やかな5月を迎えました。今月の皆さんの歩みの上に主の豊かな祝福がありますように。
拙著『説教の聴き方』の冒頭にコロナ禍で始まった娘との読書会のことを書きましたが、その後も時と場所は変わりつつも細々と続いていて、今は基本的に金曜日の夜9時から10時の1時間、一緒に本を読み進めています。先日までで今年の新書大賞1位となった話題作、東畑開人さんの『カウンセリングとは何か 変化するということ』(講談社現代新書)を読み終え、今は若手の哲学者、戸谷洋志さんの『責任と物語』(春秋社)を読み始めています。
『カウンセリングとは何か』は新書でありながら、現代の心理学の学派や潮流を大きく捉え、そのもとで実際のカウンセリングで起こっていることを臨床的に記述していくというもので、著者の膨大な知見と学識そして現場での経験が相俟ってとても分かりやすく説得的な内容で、大学で心理学を学んだ娘も出て来る用語や概念に「懐かしい」「授業でやった」を連発していました。
牧師の務めもある種の「カウンセラー」的なものがあり、神学校でも「牧会カウンセリング」を学ぶことになっていますが、やはり専門家の知識と技法に学ぶことが多くあるともに、心理学や精神医学と神学や信仰の世界の異同についても考えさせられることが多くありました。いずれにしても牧会の現場でもこうした臨床的な学びは重要で、精神科医師の工藤信夫先生たちがリードしてくださっていた牧会事例研究会のようなものが、今の時代にも必要だとも思わされています。