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牧師室だより65 国旗損壊罪法案を憂う

牧師室だより65 国旗損壊罪法案を憂う

2026年6月28日 2026年6月28日
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牧師室だより65 国旗損壊罪法案を憂う
2026年6月28日 2026年6月28日

「国旗の損壊等の処罰に関する法案」が衆院に上程され、早くも今国会で成立の見通しとの報道がされています。国旗を「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法で」損壊した場合に拘禁刑もしくは罰金刑を科すというものです。高市政権発足と右派政党が伸張した先の衆院選後からこうした国家主義的な主張が強まる懸念はありましたが、先月に決まった「国家情報局設置」から「国旗損壊罪」という流れに、今の政権が憲法の保障する「思想、信条、良心の自由」や「表現の自由」などの重要な領域にいとも安易に踏み込んでくることへの強い懸念を覚えます。  

学界、法曹界、宗教界からの反対や懸念に加え、提案者である自民党内部からもこの法案の必要性・立法事実が極めて曖昧であるとの指摘があるように、法案の中身だけでなく立法化を目指すプロセスにも安易さや稚拙さが目立ち、なぜいまこのような法律を作る必要があるのかの根拠がないまま、前のめりな姿勢でこうした既成事実化が進むことは大いに憂うべき事態でしょう。  

1999年に「国旗国歌法」が定められた時、当時の政権はこの法律をもって国旗掲揚・国歌斉唱を国民に強制するものではないと答弁しましたが、その後に起こったのは学校教育現場での掲揚・斉唱の強制と処罰でした。今回の法案も「損壊しなければよい」というものでなく、それをもって「国旗」を敬う心を醸成する点に、裏返せばこうした心持ちでない者に圧力を掛ける点に狙いがあるでしょう。そもそも何をもって「不快」や「嫌悪」の情を抱くかは各個人の内面にかかわることで、そこに国家が踏み込んで来ることは信仰者として看過できないものです。この法案に強い憂慮を覚え、信仰の良心を鋭敏に働かせる必要を覚えます。