2025年の「待降節」(アドベント)を迎えました。礼拝堂のクランツの一本目のキャンドルに灯がともり、これからクリスマスに向けて、神の御子イエス・キリストの御降誕を待ち望みつつ過ごす一ヶ月が始まります。

この時期に合わせて、2021年12月に出版した『光を仰いで クリスマスを待ち望む25のメッセージ』(いのちのことば社)が重版されました。昨年のこの時期には版切れになってしまっていたので、何とか今年のアドベントに間に合うようと出版社と相談し、いくつかの訂正をしてようやく入手可能になりました。教会の図書にも入れてありますが、ぜひこの時期に手に取ってお読みいただけたらと思います。

この本は、私がこれまで語って来た待降節からクリスマスにまつわる説教を、12月1日から25日まで一日ずつ読み進めるように再構成した黙想集です。クリスマスやイースターなど教会暦に因んだ説教集というのは読まれる時期が限定されるため、ある程度の読者が見込めないとなかなか本にするのが難しいのですが、幸
い多くの方々が手にしてくださって、今回の重版にこぎ着けたのはありがたいことです。そもそもこの本を出したきっかけは「コロナ禍」でした。ちょうど原稿を準備していた2020年はコロナ禍の最中にあって例年のような楽しく賑やかなクリスマスとは打って変わって忍耐と沈黙の中を過ごす日々でした。しかしそのような中であらためてアドベントの時期を思い巡らす時に、御子の降誕を待ち望むことがいかに大きな励まし、慰め、信仰の支えとなるかを実感したのです。

コロナ禍は過ぎたように見えますが、世界はいっそう暗闇の度を増しています。その様な中、光り輝く明けの明星なるキリストを待ち望む姿勢をしっかりと整えたいと願うものです。